今、世界の中心にいるビル・ゲイツの黒歴史(2)

ある人物の人となりを知ろうと思えば、その人が何をしてきたかを知ればいい。人はそんな簡単に変わるものではない。今、ビル・ゲイツ氏は世界の権力中枢にいる。そのような人物の人となりを知る事は我々にとって重要な事ではないだろうか?

IBMとビル・ゲイツ

ジェームズ・キャナビーノ氏はIBM副社長まで人間離れした努力と根性で這い上がってきた尊敬出来る人物だ。

OS/2(オーエス・ツー)は、MS-DOSおよびPC DOSの後継として、IBMとマイクロソフトとの共同で開発された、パーソナルコンピュータ(パソコン)用の16ビットおよび32ビットのオペレーティングシステム (OS) である。

IBMとマイクロソフトはOS/2を共同開発したが完全な失敗作だった。1989年11月13日、IBMとマイクロソフトは共同声明を出す。この声明では、上位のパソコンにはOS/2を使い、普及機のパソコンにはウィンドウズを使うことを認めたが、同時にOS/2へ移行するようにも勧めていた。つまりはこの時からIBMの普及機のパソコンにはウィンドウズを使う事になった。この声明でIBMはウィンドウズを認めたことになり、世間ではマイクロソフトの独り勝ちと受け止められたし、事実上そうだった。今、考えるとIBMが普及機のパソコンから撤退したものこの時の痛手が始まりのような気がする。決して綺麗なやり方ではないだろう。そして、やがてビル・ゲイツは、OS/2をインテル286用でなく、386用にするよう要求した。これはOS/2が286を搭載するIBM PC/AT用として計画されたことを考えると、無茶苦茶な要求だ。IBM支持派はビル・ゲイツに強い憎しみを抱くようになった。Microsoft は OS/2 の全クレジットを要求して(たとえば MS 版の OS/2 には IBM の著作権表示が含まれておらず、かたや IBM 版には IBM と MS 両方の著作権表示がある)IBM をうんざりさせていた。ビル・ゲイツにはWIN-WINの発想がない。協力会社からさえも強欲に利益を奪い取る。

サン・マイクロシステムズとビル・ゲイツ

サン・マイクロシステムズはまさに奇跡の会社だった。私も若い頃彼らの活躍に胸を踊ろせた一人だ。スタンフォード大学で校内のネットワーク用のワークステーションを独自に開発したアンディ・ベクトルシャイムが、スコット・マクネリ、ビノッド・コースラらとともに会社を創立したのが始まり。このサン・マイクロシステムズは僅かな資金と人員でオープンソースと言ってソースコードを公開して誰もが開発に参加出来る素晴らしいOSであるUNIXを使ってSolarisという画期的なOSを生み出した。これは、後の多くの商用Unixの母体となった。さらにJavaという画期的なプログラム言語を開発した。ビル・ゲイツはJavaを真の脅威と見ていた。

ビル・ゲイツはマイクロソフトの幹部たちに、Javaとそのクロスプラットフォーム技術の脅威は同社の『Windows』基本ソフトに対する「強烈な恐怖」だと書き送っていた。

マイクロソフトはサン社からJava技術のランセンス供与を受けた。しかし、マイクロソフトはJava言語の非互換バージョンを配付することで同言語のライセンス契約を侵害した。簡単に言えばマイクロソフト版JAVAを作って、JAVAを奪い取ろうとしたのだ。信じられない不正行為だ。そういえば、私も何も考えずにビジュアルJを使ってしまっていた。

サン社は1997年10月、カリフォルニア州サンノゼの米連邦地方裁判所に対し、この事実を提訴した。

サン・マイクロシステムズはソフトウェア開発者があらゆるOS上で稼動するアプリケーションを記述できるシステムを構築するという壮大な夢を持ってJavaを開発していた。マイクロソフトがOS市場を独占しようとしたのに対してサン・マイクロシステムはOSの多様性を促し、様々なOSで互換性のあるプログラム言語を作ろうとした。確かにマイクロソフトが世界に統一プラットフォームをもたらした功績は大きい。しかし、その影で多くの可能性が潰された。日本のトロンOSも潰された。

2004年4月、サン・マイクロシステムズは、このJavaをめぐる訴訟をはじめとする、マイクロソフトとの訴訟問題で和解し、同時に技術提携まで発表した。マイクロソフトは、サンに和解金として7億ドルを支払い、さらに過去の特許権問題については一切提訴しないことを決め、その一環として9億ドルの追加支払いを決定。また、サンが保有する技術のロイヤリティ使用料として3億5000万ドルを支払った。サンは実に、19億5000万ドルもの支払いをマイクロソフトから引き出すことに成功した。

米誌へのインタビューでマクニーリ会長は「1億ドルが和解金、あとは僕の口止め料」と語ったとされる。一見、サン・マイクロシステムズの勝利に見えるがサン・マイクロシステムズは主幹技術と目標をマイクロソフトに奪われ、失速し、結局、2009年4月20日には、オラクルに74億ドルで買収された。多くのITエンジニアががっかりした。私もこの時感じた失望と悔しさは忘れられない。また一つ人類の希望がマイクロソフトの野望のために葬られた。

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