フェアトレードタウンはどのようにフェアトレードを推進出来るのか?(4)

そこで明石さんは取扱店の拡大を目指しました。熊本市は当時人口七三万人でしたので、

認定に必要なフェアトレード産品の取扱店数は七三店舗以上でした。何をもってフェアトレード産品とするかの判断は、認証製品を別にすれば、フェアトレードシティ推進委員会に委ねられていました(判断の基準は日本フェアトレードフォーラムによって定められていますが)

「取扱店の開拓は、初めは知り合いの店や人から紹介してもらった店を回っていましたが、

そのうち飛び込み営業もするようになりました。それまでの普及活動のせいか、中にはすでにフェアトレードを知っている方もいましたが、初対面の方にボラン ティアの立場でフェアトレードや産品のことを伝えるのには知識や熱意が必要でした。そこで、フェアトレードやフェアトレードタウンの意味を説明し、理解してもらうための資料を作りました。それでもシンプルに分かりやすい言葉で説明するのに苦労しました。訪問や電話をする際は、忙しい時間を避けたり、接客の邪魔にならないようにしたりするのは当然ですが、他の仕事を抱えながらの普及活動は容易なことではありませんでした。

個人のお店は不定期に フェアトレード産品を置くのが大多数だったので、継続して取り扱ってもらえるよう働きかけました。一品目だけの扱店には二品目以上扱っていただくよう働きかけました。最初は手始めに少量の取り扱いを希望されるお店が多く、らぶらんどエンジェルがそれに対応しました。

お店の方には、フェアトレードタウン認定に向けた取り組みや、認定されるには何が必要かもお伝えしました。何度も足を運ぶうちに信頼関係ができ、活動を応援してくださる店も増えていきました。店主の方とお話しすると、こだわりとプライドを持って経営されている方ばかりでした。人気のあるお店や、熱い思いを持った経営者の方とお話できることそのものが貴重な体験でした。お叱りやご意見をいただくことも多々ありましたが、それも受け止め、取り組むべき課題としました。一方で、店主の方のこだわりがフェアトレードの理念とマッチしたときは、この上なく嬉しい気持ちになりました。 いきなりの訪問にもかかわらず、人気のあるオシャレな飲食店が取り扱いを即決してくださったこともあります。店長さんは二〇代半ばの女性でした。お店の経営が大変という理由で断わられることが多い中で、新しい取り組みを恐れない彼女の姿勢に感激しました。フェアトレードとはおよそ縁遠いと思われるガソリン スタンドがフェアトレードのチョコレートを販売している例もあります。

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