日本のフェアトレードタウンの始まり(3)

それ以来ずっと、らぶらんどエンジェルは熊本のフェアト レード運動の拠点になり、多くの人が集まる場となっています。熊本で活動が継続できている理由は、一つにはフェアトレードに関心を持った人たちが気楽に集まれるこの場所があるからだと思います。そして、この店のスタッフになった人たちがフェアトレードの推進に強い思いを持つょうになったのです。

らぶらんどエンジェルのほかにも、環境やフェアトレードをテーマにしたお店をいくつか立ち上げました。そのうち「はちどりの木」は、二〇〇五年に身体障がい者の作業所と共同で市内の河原町商店街にオープンしたフェアレードシ ョップでした。

フェアトレードの活動は、ビジネスとして、また市民運動として取り組んでいます。一九九九年に、楽しくフェアトレードに関わろうという思いで始めた「うきうきフェアトレードるんるん国際協力の会」は、本格的に フェアトレード

を広める運動体にしようと、翌年「NGOフェアトレードくまもと」へと名前を変えました。

それからはば毎年、海外から生産者さんを招いてイベントを行い、フェアトレードの普及に力を入れてきました。そうするうち、行政も応援してくれるようになったそうです。

フェアトレードへの関心の高さにビックリされました。それで何気なく「熊本市がフェアトレードタウン になったらいいんじゃない?」って言われたんです。明石さんは「はい、やります!」と反射的に答えていたそうです。

市の活性化委員をしていた私は、早速その年の一〇月に「体験型観光とフェアトレードタウン構想」を市に提案しました。ただ、提案はしたもののそもそもフェアトレードタウンとはどういうも明石さん自身よく分かっていませんでした。そこで、すぐにサフィアさんに連絡してイギリスに視察に行くことにしましたそうです。

その当時(二〇〇四年)は、運動発祥の地イギリスでさえ、17のフェアトレードタウンがあるだけでした。

最初に訪問したフェアトレードタウンはオックスフォードでした。教会の地下に家賃がただのフェアトレードショップがあって、退職した女性ボランティアが五人で運営していました。

他にもいくつかの町を視察に行きましたが、中心的な役割を果たす熱狂的な人たちは何人かいるものの、普通の人がフェアトレードに関心があるというわけではないようでした。私が道で

「この町はフェアトレードタウンですか?」と尋ねても、「何ですか、それ?」という反応でした。結局、自分の町がフェアトレードタウンだと知っている人には出会えませんでした。

それでも、中心的な人たちはとても熱心でした。訪問すると、みんなが一度に私に話しかけてくるのです。私の英語力はニュアンスが分かる程度ですが、情熱はすごく伝わってきました。どれだけフェアトレードを広めようとしているか、たくさんの体験談を聞き、助言をもらいました。

コメント