ESD、SDGsの達成度を測る指標〜GDP(国民総生産)からGPI(本当の成長の指標)、GNH (国民総幸福)へ(8)

一言でまとめるとアメリカは少なくとも現時点で7500兆円の借金をしていると言うことです。こんなに借金をしていてなぜアメリカは国家破綻しないのでしょうか。その仕組みを説明しましょう。

ドルは世界で唯一無二の通貨です。ドルは基軸通貨であり、国際間貿易で使われる通貨です。私たちはこの常識によって感覚が麻痺しているのです。本来は国際間貿易で使われる基軸通貨と言う一国の通貨が同じと言うのは異常事態なのです。

この異常自体がアメリカの繁栄を生み出しました。BIS(国際決済銀行)は、3年ごとに為替市場における通貨別取引高をまとめています。2016年4月の月間1日あたりの取引高で議論を進めていきます。それを見ると上位3通貨が圧倒的なシェアを持ち、米ドル43.8%、ユーロ15.6%、日本円10.8%とおよそ7割を占めています。

一方、世界のマネー供給量は83.6兆ドルと言われています。つまりアメリカは今までの歴史の中でドルという紙切れを印刷しただけで37兆ドルの買い物をしたわけです。豊かになるはずです。

日本はせっせせっせと自動車を作って、紙切れを受け取っていたのです。アメリカの7500兆円借金のうち、37兆ドル(4000兆円)はこれでチャラです。しかし、まだ3500兆円あります。これはアメリカ国債によってあがなわれています。

日本はこの10年で500兆円規模もの対外資産を増やしています。日本には1000兆円の借金があるが600兆円の債権があるので全然大丈夫と言う意見をよく聞き耳にしますがこれはまったくのデタラメです。この600兆円の債権は決して回収できないからです。

財務省は毎年、本邦対外資産負債残高の数字を発表しています。それによれば、日本の対外資産残高は、平成16年末が433.9兆円、平成26年末が945.3兆円です。その差額は511.4兆円にも上ります。すなわち、日本はこの10年間にて500兆円規模の資産を海外移転しています。

なぜ、こんなにも巨額の国富移転が行われているのでしょうか、その主な要因は、円高になったとき、日銀は円売りドル買いオペをやって、そのドルにてせっせと米国債を買っているからです。これがなかったらドルの価値は今頃暴落しています。

私はアメリカに住んでいた ことがあります。田舎でバスに乗り込むとバスの運転手さんが気さくに話しかけてきました。

「日本人はすごく働くんだろう?」

「まぁ、午前8時に出社して、帰るのは午後8時前後と言うのが平均的ですかね。」

「そりゃひどい。俺は9時に出社して、午後4時にはもう家に帰り着いているよ。」

この例は極端かもしれませんが、日本人のサラリーマンは1日の平均労働時間は10時間前後です。それに対してアメリカのサラリーマンはの勤務時間は、一日当たり8時間、週5日勤務で週40時間と決まっています。しかもバケーション休暇が8日〜3週間あります。さすがにまずいと思ったのか、ようやく日本政府も働き方改革に着手しましたし、ゴールデンウィークを10連休にしました。それでもアメリカに比べれば労働環境は日本の方がはるかに悪いですし、そのアメリカでさえ世界の中では働きすぎの国と言われているのです。

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