ESD、SDGsの達成度を測る指標〜GDP(国民総生産)からGPI(本当の成長の指標)、GNH (国民総幸福)へ(4)

「人生が辛いと感じるか」という質問に「はい」と答えた国民がわずか1パーセントしかいないとされるデンマークを見てみましょう。この国では労働人口の20パーセント以上が働いていないといいます。失業者は就労時の賃金の90パーセントを2年間も保障されています。手厚すぎる失業保険があれば働かない人々も出てくるでしょう。北欧のような高福祉政策をとれば、このようなコストとも向き合わなくてはならない点はしっかりと考えるべきです。

またデンマークでは、多くの世帯で貯蓄がゼロなのです。貯蓄ゼロだけならまだしもデンマーク世帯は多額の借金を抱えています。IMFの調査ではデンマーク人は平均して年収の310パーセントの負債を抱えているといいます。日本人も住宅ローンを抱えてますから、私は同じようなものではないかなと思いますが。医療や教育がタダで失業しても収入が断たれることのないデンマーク人のお金の使い方は実に刹那的な傾向があると言うのは間違いないでしょう。

一方でデンマークの高福祉政策は綻びが見え始めているといいます。いずれ、隣国スウェーデンのように大掛かりな制度改革が必要になってきます。福祉政策の縮小が始まったとき、彼らはどのように膨大な負債を乗り切るのでしょうか。これが「人類でもっとも幸福な国民」のもうひとつの側面です。

ノルウェーに関しては世界第3位の原油の輸出国で、政府の財源を莫大な貿易黒字が支えています。ノルウェーが豊かなのは純粋に石油のおかげです。

アイルランドは北欧といってもかなり他の国と事情が異なっていて、日本と似ている工業国です。ヨーロッパにおけるアメリカの傀儡国家です。1990年代に入ってから爆発的な急成長を遂げ、1995年から2000年の経済成長率は10%前後であり、世界において最も経済成長を遂げた国のひとつです。現在では工業はGDPの46%、輸出額の80%、雇用の29%を担っている。立派なもの工業国です。アイルランドが工業国になったのはアメリカ合衆国からアイルランドへの海外直接投資 (FDI) は1980年代から現在に至まで順調に増加したのが主たる原因です。これらの投資によってアイルランドの産業、雇用は劇的に改善しました。アイルランドへの主な投資元企業にはインテル、デル、IBMなどが存在しています。2005年の時点では600社もの企業がアイルランドにおいて活動しており、これにより生み出された雇用数は10万以上になると推計されています。アイルランドはEU市場で販売する製品の生産地として最適であると見なされているのです。日本の自動車会社がアメリカに輸出する車の工場をメキシコに作るのと同じ感じです。この理由としては、高い教育レベルと労働スキル、英語圏であること、比較的低い賃金などがあげられます。アイルランド政府はアメリカの企業の誘致を進めるために、資本補助、税金優遇策など様々な刺激策を採用しています。

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