ESD、SDGsを進める上で必要不可欠な地球の許容量という考え方について(4)

世界での出生率の低下

先進国諸国の合計特殊出生率(一人の女性が生涯で何人子供を産むかの指標)は、1960年代までは2.0以上の水準でしたが、1970年から1980年頃にかけて、全体として低下傾向になりました。背景には、子供の養育コストの増大、結婚・出産に対する価値観の変化、そして避妊の普及などがあったと指摘されています。

1990年頃からは、国によって特有の動きをみせ、近年は回復する国も見られるようになってきました。特に、フランス、スウェーデンでは、家族政策が功を奏し、1.6程度だったものが、2.0程度まで回復しました。少子化は原因が複雑ですが、有効な対策を考え、実行することが無駄ではないことがわかります。

結婚しなかったり、結婚が遅くなったりしている。若者の価値観が変わり、結婚しないことを望む人が増えたと言われることがありますが統計によると、結婚したくないと思っている人は、実はそれほど多くないようです。むしろ非正規雇用の増加によって生活が不安定になり、結婚できなくなると言う要因が大きいようです。

ところがが発展子途上国ではこのような人口抑制がかからないのです。発展途上国では多産多死から多産中死になりますが、アフリカでは、合計特殊出生率が高い国は、 前述のニジェールのほか、ソマリア(7.25)、 アンゴラ(7.20)、エチオピア(6.14)といった、 サハラ砂漠以南から南部アフリカにかけての地地域に多いです。

また国の発達具合から見ると先進地域(1.56)、発展途上地域(2.92)、後発発展途上地域(5.13)と言うふうに発展途上国になればなるほど出生率が高くなるのは明らかです。これについての科学的な説明と言うのは非常に難しいと思うのですが、これは人間の心の問題というか本能の問題に深く根ざしていると考えられます。

ある研究者の人間学の講義を聞いていた時に彼はこのような説明をしました。人間というのは生存の危機にひんすればひんするほど、生存本能が働いて多産になるのだと。この説明は科学的とは言えないかもしれませんが、非常に的を得ているのではないかと私は思います。

繰り返しになりますが、換金作物は輸出品ですので、自分たちの食糧は輸入品に依存しなければならなくなり、自給自足は崩壊します。結果として非常に高い食料を輸入しなければならず、人口は爆発しているのに食料品がないと言う恐るべき状態が発生します。さらに、土地の酷使や農薬で年々、換金作物の収量は減少していきます。

自給自足(人口安定)→換金作物(貨幣経済)→豊かさ(人口拡大)→生産拡大(経済発展)人口が増えるとより多くのお金が必要になり、「人口増加→経済拡大」の悪循環(右図)が始まり、最後には資源枯渇と環境破壊を招きます。 

荒れ果てた土地に餓死寸前の人たちがあふれている映像が映し出され、「人口爆発の原因は貧しさです」と説明されますが、実は貧しさは人口爆発の「結果」だったのです。

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