ESD、SDGsを進める上で必要不可欠な地球の許容量という考え方について(3)

自給自足をしている社会では、人口は安定する傾向があります。食料の価格が安定し、食料の生産・供給量によって人口調整バイアスがかかるからです。逆を言えばその国が生産できる食料で養える人口こそが適正人口と言うことです。各国が適正人口に人口を調整する努力をすることで、地球は正常な状態に戻ることができます。ところがそうはいかないのは、人口とは力であり、人口が多くなればなるほどGDPは大きくなり、それに伴い国家予算も大きくなり、端的に言えば軍事費もそれに伴って大きくなるからです。この人類の争いこそが人口の適正化を阻んでいるのです。

他にも要因があります。人口増加を起こしている国々は先進国の植民地だったか、現在先進国に「資源」や「換金作物」を輸出している国です。貨幣が入ってきて一時的に食糧の供給が増え、人口も増えたのです。

※換金作物とは?

コーヒー、紅茶、バナナ、ナタデココ、ゴム、小麦、綿、木材、石油、鉄、ダイヤモンドなど

エチオピアなどはコーヒーで、インドは綿や紅茶、コショウで、ブラジルはゴムやコーヒーなどのために人口が爆発しました。そうなるとどんどん食糧生産は縮小し、農産物における換金作物の割合が多くなります。ある時点までは順調に経済が発展し、人口も急激に増え続けます。ところがある時点を境に逆に換金作物を栽培すれば栽培するほど貧しくなる状況が発生します。1つの理由は食物を遠い国から輸入しなければならないなること、もう一つの理由は換金作物は単一栽培されることが多く、先進国によって買い叩かれてしまう、すなわち適正価格ではなく、非常に安い価格で買われてしまうからなのです。これはまさにグローバリズムそのものです。グローバリズムこそが地球を破壊する現況そのものと言えるでしょう。

他にも要因があります。先進国には人口増加に抑制がかかります。少子化の主因は、結婚しているカップルが子供を産まなくなったのではなく、適齢期の男女が結婚しなくなったためだと言われています。しかし、統計調査の分析等から、出生率低下は、それだけではなくその他たくさんの社会的経済的要因や生物的行動的要因が複雑に関係したものであることがわかりました。

 人口転換論

社会が近代化し、経済的に豊かになると、多産多死から多産中死を経て少産少子にいたるといわれています。これを人口転換論と言います。

発展途上の国から、先進国にいたる過程で起こる変化です。

まず、死亡率が下がります。これは食料事情による栄養状態の改善、衣類や住居による公衆衛生の改善や衛生思想の普及、医療の技術革新、予防注射、殺虫剤による伝染病の対策など多くの要素によるものです。次に、少し期間をおいて出生率の低下が始まります。これは、理由に諸説があり、その変化の要素と相互関係は死亡率の低下よりずっと複雑です。最終的に、出生率が大きく下がるために、少子化がもたらされることになります。

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