ここからが非常に重要なところです。
グローバリゼーションが席巻する、そのような状況は多かれ少なかれ各国で見られるのではないでしょうか。日本も例外ではなくグローバル経済の波が押し寄せ若者は単純労働市場に駆り立てられるものとITなど高度な技術技能が求められるニューエコノミーに従事するものとに分断され両者の経済的格差はもとより希望格差まで歴然としてきているのが現代の日本社会です。
ESDの本質はいかに人を育て繋げるかという事なのですが、その際に身につける価値観、身につける能力、学びの方法が重要になります。
ESDでつちかいたい「価値観」
·人間の尊厳はかけがえがない
·私たちには社会的·経済的に公正な社会をつくる責任がある
·現世代は将来世代に対する責任を持っている
·人は自然の一部である
·文化的な多様性を尊重する
ESDを通じて育みたい能力
·自分で感じ、考える能力
·問題の本質を見抜く力/批判する思考力
·気持ちや考えを表現する力
·多様な価値観をみとめ、尊重する力
·他者と協力してものごとを進める力
·具体的な解決方法を生み出す力
·自分が望む社会を思い描く力
·地域や国、地球の環境容量を理解する力
·みずから実践する力
ESDが大切にしている学びの方法
·参加体験型の手法が活かされている
·現実的課題に実践的に取組んでいる
·継続的な学びのプロセスカある
·多様な立場,世代の人びとと学べる
·学習者の主体性を尊重する
·人や地域の可能性を最大に活かしている
·関わる人が互いに学び合える
·ただ1つの正解をあらかめ用意しない
ESDは環境のみならず
「社会や経済さらには文化も重視されることが求められており、」
開発を全体的つまりホリスティックに捉えようとしている点がESDの独自性として指摘されるべき点です。
環境開発(DE)+環境教育(EE)=ESD(持続可能な開発のための教育)
さらなるESDの独自性は「つながり」への着目があげられます。たとえば環境問題ひとつとっても、アフリカで起きている水不足を起因とする紛争や干ばつを契機とする栄養不足や不就学の問題など、環境と貧困、衛生、教育などの諸領域の問題は相互に関連していることは明らかです。ESDでは、こうした「つながり」または相互関連性を学ぶことに重点が置かれています。
ESDの目指す教育はホリスティック教育論の強調点と符合することがわかります。近代化の過程で専門文化もしくは断片化された思考からシステム思考へ、機械的な世界観からエコロジカルな世界観へ、トップダウンからボトムアップ、表層から橋道へ、従順な市民性から変化の担い手としての市民性、と言う持続可能な社会形成の基盤となるような指向性を用います。
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