総力特集 SDGsとESDをうまく繋げるためのESD理解〜現代教育の歴史的背景(12)

こういう流れの中から、次は「確かな学力」と言うキーワードが生まれてきました。1998年の学習指導要領が全面的に実施され2002年の1月に、文部科学省(2001年に文部省を改組)によって「確かな学力の向上のため2002アピール」が報道発表されました。1990年代後半から拡大していた「低学力問題」の論議と、1998年に公示された学習指導要領に対する批判が高まりました。

文科省は「基礎・基本を確実に身につけ、それを基に、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力」「豊かな人間性」「健康と体力」を総合した「生きる力」の育成という、98年指導要領の目標において、「心の教育」と「確かな学力」の向上が、とりわけ重要な課題であると述べられています。

この辺の方針は、自分がやってきたからと言うわけでは無いのですが本当に素晴らしいと私は思えるのです。文科省が打ち出したこの方針は多くの教員に影響を与えました。やる気のある教員は早速この命題に取り組みました。

しかし、中学校の実情を言えば、教師は部活動に追いまくられ、学校の事務を手分けして行う校務分掌、さらに生徒指導もせねばならず、最近ようやく補導されるようになったか忙化問題によって、なかなか授業の改善までたどりつかないというのが実情です。私に関して言えば、それでも授業の改善に命がけで取り組んだ結果、大病を患い、休職をやむなくされました。

これが戦後の日本教育の概要になります。日本教育は本当に素晴らしいと手放しで褒められる内容ではとてもありません。とてもありませんが、教育が社会の影響を受けて、社会の要請によって変化してきたことがよくわかります。

私たちの先輩たちが社会においても、教育会においても、一生懸命努力してくださったおかげで、実情は社会制度のせいでさほど豊かな国とは言えなくなってしまった日本ですが、OECD35ヶ国中生活水準は世界25位、幸福度は33位と褒められた順位ではありませんが、とりあえずは衣食住には困らず、教育に精神な豊かさを求められる時代にはなりました。

今も格差問題や貧困家庭問題、非正規雇用の増加など日本社会は問題山積で、その影響を教育現場はもろに受けています。

たとえそうであったとしても、先輩諸氏の努力は無駄になりません。我々はこれまで築かれた努力の上に、 より人間らしく心豊かに生活するための教育を行う土壌ができているのです。

では何を教えるのかということになりますが、その前に公教育の歴史について振り返りましたのでここで日本の社会教育の歴史も振り返っておきたいと思います。

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